国税庁のホームページにおいて、年末調整手続の電子化に向けた取組みを紹介していますが、そのページが更新されました(令和2年1月6日公表)。
平成30年度税制改正により、令和2年分の年末調整から、生命保険料控除、地震保険料控除及び住宅借入金等特別控除に係る控除証明書等について、勤務先への電子データによる提供が可能となることなどを受けて、年末調整手続の電子化に向けた施策が実施されます。
その仕組みや手続きが、かなり具体化してきました。
年末調整手続の電子化に向けて、企業(勤務先)においては、次のような準備が必要になるとしています。
1.電子化の実施方法の検討
従業員が使用する年末調整申告書作成用のソフトウェアについてどのソフトウェアを使用するか、電子化後の年末調整手続の事務手順をどうするかなどの検討が必要。
※従業員が提供する年末調整申告書データは、国税庁から提供する年調ソフトだけでなく、仕様公開を通じ同様の仕組みを取り込んだ民間のソフトウェアでも作成することが可能。
2.従業員への周知
従業員から年末調整申告書を電子データにより提供を受けるに当たり、法令上は事前に従業員から同意を得ることは不要。
しかし、電子化に当たっては、従業員においても、保険会社等から控除証明書等データを取得するための手続など、事前準備が必要となることから、電子化する際には従業員への早期の周知が必要。
なお、従業員から控除証明書等データの取得方法について照会があった場合には、「マイナポータル連携」により取得することができる旨を周知することが基本。従業員のマイナンバーカードの取得が間に合わないなどにより、マイナポータル連携による取得ができない場合は、その従業員が契約している保険会社等のホームページ等から控除証明書等データを取得するよう周知する。
3.給与システム等の改修等
従業員から提供を受ける年末調整申告書データや控除証明書等データを自社で利用している給与システム等にインポートし、年税額等の計算を行うためのシステムの改修等が必要。
なお、令和2年分からの所得金額調整控除の額については、勤務先において計算することになるので、それに係る改修も必要。
4.税務署への届出
従業員から年末調整申告書に記載すべき事項を電子データにより提供を受けるためには、勤務先があらかじめ所轄税務署長に、「源泉徴収に関する申告書に記載すべき事項の電磁的方法による提供の承認申請書」を提出し、その承認を受けることが必要。
国税庁が提供することとしている年調ソフトについてはまだ作成中ですが、「マイナポータル連携」の内容も含め、どのような準備が必要となるのか、早めに確認しておきましょう。
詳しくは、こちらをご覧ください。
<年末調整手続の電子化に向けた取組について(令和2年1月)>
≫ http://www.nta.go.jp/users/gensen/nenmatsu/nencho.htm
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