社会保険労務士の業務範囲拡大と社会保険労務士法人制度の改善を盛り込んだ社会保険労務士法の一部を改正する法律案が、平成26年11月14日の衆議院本会議で可決、成立した。
今般の社会保険労務士法改正は、最近における社会保険労務士制度を取り巻く状況の変化に鑑み、①厚生労働大臣が指定する団体が行う個別労働関係紛争に関する民間紛争解決手続において特定社会保険労務士が単独で紛争の当事者を代理することができる紛争の目的の価額の上限を引き上げ、②社会保険労務士が裁判所において補佐人となる制度を創設し、及び③社員が一人の社会保険労務士法人を設立することができることを実現するもの。
改正社会保険労務士法の主な内容
第1 個別労働関係紛争に関する民間紛争解決手続における紛争の目的の価額の上限の引上げ
厚生労働大臣が指定する団体が行う個別労働関係紛争に関する民間紛争解決手続において、特定社会保険労務士が単独で紛争の当事者を代理することができる紛争の目的の価額の上限を、120 万円(※現行は少額訴訟の上限額(60万円))に引き上げること。(第2条第1項関係)
第2 補佐人制度の創設
1 社会保険労務士は、事業における労務管理その他の労働に関する事項及び労働社会保険諸法令に基づく社会保険に関する事項について、裁判所において、補佐人として、弁護士である訴訟代理人とともに出頭し、陳述をすることができることとすること。(第2条の2関係)
2 社会保険労務士法人が1の事務の委託を受けることができることについて規定すること。(第25条の9の2関係)
第3 社員が一人の社会保険労務士法人
社員が一人の社会保険労務士法人の設立等を可能とすること。(第25条の6等関係)